まだ働くコトで消耗してるの?ワークシェアリング

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近年、ワークシェアリングという考え方が広まりつつあります。一人の労働時間を短縮することで、より多くの人たちを雇うことができるようになる。一人ずつの賃金は減ってしまうものの、自由の時間が増えるため、働きすぎな日本に導入すれば、ちょっとしたワーク・ライフ・バランスを推進することなんかにも繋がるのでは?と、問われているところです。

このワークシェアリングは、ヨーロッパを中心に進み始めている考え方。パッとしたイメージだと、まさにシエスタが存在するような、ヨーロッパ文化から生まれた、社会主義的な発想に近いようにも思いますが、これをうまく取り入れることによって、私たちの社会は、もっとうまく回っていくのではないかとも考えられるのです。

今回は、このワークシェアリングについて、少し考えてみたいと思います。

まずは、改めてワークシェアリングを定義していきます。

ワークシェアリングとは、仕事を分かち合うこと。1人当たりの労働時間を短縮することで、社会全体の雇用者数の増大を図る考え方。1人当たりの賃金を下げてでも雇用を確保し、失業者を減らすことが主な目的。すでにドイツ・フランス・オランダなどEU圏の一部で実験的に導入され、オランダのように大きな実績を上げている国もある。しかし、日本では、独自の雇用環境などがあるため、必ずしも普及しないというのが一般的な考え方である。雇用保険、労働者災害補償保険(労災保険)など雇用時にかかる経費の高さなどが導入の進まない原因のひとつとされている。

(出典): ワークシェアリング – コトバンク

仕事を得ることができないような失業者がいる一方で、働き過ぎから、お金よりも自由な時間を必要とする人たちもいます。まさに、こうした両者を社会の仕組みを使って、マッチングしようという考え方が、日本でも導入されようとしています。

ただ、現実的には、色々な課題も存在します。それは、今までよりも一人当たりの賃金が減少してしまうことに加え、日本での仕事は、既存の組織基準で動くことが多く、一人の仕事を分割することは効率的ではないという考え方も存在するからです。

via: 日本の人事部

ちょっと、海外の事例も参考にしていきましょう。

オランダでは、1980年代前半のオランダ病と呼ばれた大不況を克服するため、1982年に政労使間でワッセナー合意が行われて以来、1996年の労働法改正や2000年の労働時間調整法制定によりワークシェアリングが劇的に進んだ[19][20]。一連の労働市場改革はオランダ・モデルと呼ばれている。
労使間で『賃金削減(抑制)』と『雇用確保のための労働時間短縮』が合意されるとともに、この合意を有効なものとするため、政府は『減税と社会保障負担の削減(結果として労働者の減収を補う)』および『財政支出を通じた政府財政健全化と、企業投資の活性化(結果として、雇用の増加を図る)』に関して努力することを約束した。
また、労働法改正(1996年)では『同一労働同一労働条件』が取り決められた。これは、フルタイム労働者とパートタイム労働者との間で、時給、社会保険制度加入、雇用期間、昇進等の労働条件に格差をつけることを禁じるものである。さらに、労働時間調整法制定(2000年)では『労働者が自発的にフルタイムからパートタイムへ、あるいはパートタイムからフルタイムへ移行する権利』および『労働者が週当たりの労働時間を自発的に決められる権利』が定められている。

(出典): ワークシェアリング – Wikipedia

ワークシェアリングは、今後、日本社会に大きな影響を与えていく可能性を秘めています。一例として、最近では、仕事以外にボランティアや、趣味のコミュニティに精を出す人が増えていますが、これが「仕事」に変化していくと、その瞬間にパラレルキャリアが実現します。

ワークシェアリングを通して、一箇所ではなく、複数の経済的基盤を持つことは、不確定要素の多い現在では、逆に安定を実現する可能性につながるのかもしれません。ワークシェアリングを切り口に、仕事をシェアする世の中を想像してみてはいかがでしょう。

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