バケーションレンタルは、宝の山。誰が買うかがキーとなるだけ。

本記事は「My Share Life」の運営元と同じである「The Intern」より抜粋したブログとなります。
こちらでは、スタートアップ記事を中心に展開しています。よろしくお願いいたします。

Airbnbを知らない人たちがいるのであれば、ハリウッド映画『ホリデイ(The Holiday)』を観ることをオススメする。この映画では、恋と仕事に疲れた2人の女性が現実から逃げるように旅行に出る物語が展開される。おもしろいところは、この素性も分からない2人がオンライン上でやり取りを交わし、ホームエクスチェンジをしてしまうところだ。

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ホームエクスチェンジとは、お互いの家を交換し合い旅行する旅のかたちのこと。旅行する際に、自分の滞在予定地に住んでいる者が、同じ日程で自分の居住地への旅行を計画していることで成り立つ。

この仕組みの最大の利点は、宿泊費を支払う必要がないことである。自動車等の附帯物の利用が、可能な場合もある。また、まるで居住者のように生活することができ、異文化を体験できることも魅力のひとつである。しかしながら、各種条件を満たす旅行者を知人の中から探し出すことは極めて難しいことから、インターネット上の会員マッチングサービスを利用することが、一般的となっている。

(出典): ホームエクスチェンジ – Wikipedia

この仕組みは、現在のAirbnbがよく機能しているだろう。そして、このAirbnbを筆頭とし、バケーションレンタル市場が盛り上がってきている。これまでのホームエクスチェンジとの違いは、信頼性だろう。ホリデイが公開された2006年はSNSがこれほどまでに浸透はしていなかった。AirbnbやUberのようなシェアリングエコノミーが市場で機能するのは、あくまでSNSのような個人情報がインターネットに開かれていることが前提となる。見知らぬ人と初めて出会うサービスの全てがこのSNS連携によって、安全性を担保することに繋がるのだ。

それでは、このバケーションレンタル市場は現状は、一体どんな概況となっているのか。

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(出典):

2019年までに$170Bにまで膨れ上がるといわれている。そして、スペインバルセロナで事業を展開するRentals Unitedによると、下記における5つの要素がビジネスにおいてコアとなりうるとされている。

1. ホテルやその他宿泊施設による専門性の向上

AirbnbをはじめとするP2Pの空きリソース有効活用のためのプラットフォームが展開されるなか。既存の事業者たちは、P2Pでは対応することができないサービスを提供しなければならない状況に置かれている。彼らが勝負できる分野は、アメニティの増強と、ネットワーク、そしてテクノロジーの活用。

P2Pに押されているからこそ、ホテルが再発明を求められている。専門的なツールの作成と、信頼できる徹底された人材の育成、この2つがキーになることだろう。

2. バケーションレンタルに参入してくるスタートアップたち

より多くのスタートアップがこのバケーションレンタル産業に参画してくることが考えられる。そして、コスト削減がテクノロジーによってなされていくだろう。自動でのチェックイン/チェックアウト、専門保険、オートマーケティング機能、競争力がますます増していくことは間違いなく言えるところだ。

大手企業によるスタートアップ投資/買収は一つの選択肢

ハイアットホテルはOneFineStayに投資。Expedia.comはHomeAwayを買収、Booking.comはvillas.comをローンチした。新しい市場が予測されてきた上で、大手たちが大金を動かして、なるべく弱火の段階でなんとかして市場を抑えようとしている傾向が垣間見れる。

予約プロセスの改善が進んでいく

即予約こそが、市場の新しいスタンダードとなることでしょう。リアルタイム性こそが、今更ながらも、このバケーションレンタル市場で相変わらず求められている点である。そして、2016年にはこの技術アップロードがある程度の限界まで到達するとまでいわれている。

IoTと絡み合うバケーションレンタル

市場におけるテクノロジーの進歩こそ、リアルタイムで起こり続けていることだ。HEMSやBluetoothを搭載したオートロックキー、高性能な火災報知器、盗難警報器といったハードウェアが思ったよりも早く取り入れられていくことだろう。ソフトウエアもまた然り、チャンネル管理やデータマイニングツールが価格最適化を生んでいくことだろう。

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Vacatia

https://vacatia.com/
2013年、カリフォルニアで創業。休暇を取るための家族連れのためのリゾートマーケットプレイス。ARDA(American Resort Development Association)のメンバーでもある。

MyVR

http://myvr.com/
2010年、カリフォルニアで創業。バケーションレンタルのHipmunkといったところ、全てのVRサイトによる情報をまとめて価格比較を施したリストを提示している。YCombinator卒業生。

Demeure

https://demeure.com/
2009年、カナダで創業。ハイエンドにターゲットを絞ったAirbnbを提供しているサービス。通常のブッキング機能に加え、プレミアム版の定期購読型のプランも設定している。

VaycayHero

https://www.vaycayhero.com/
2013年、カリフォルニアで創業。失敗しないバケーションレンタルを掲げ、すぐに対応できるコンシェルジュを設定し、100%正確に間違いない予約やリクエストに応じられるような仕組みとなっている。

Wimdu

http://www.wimdu.com/
2011年、ライプチヒで創業。ちょうどAirbnbのまったく競合にあたるドイツ発のP2Pによるバケーションレンタルサービス。既に、$90Mの資金調達をしているメガベンチャー。

Lodgify

http://www.lodgify.com/
2012年、バルセロナで創業。オンラインショップを簡単に作ることができるShopfyのバケーションレンタル仕様。個人やスモールビジネスが、簡単にバケーションレンタル製品を作ることができる仕組みを提供している。

Knok

http://www.knok.com/
2011年、バルセロナで創業。一般的なホームエクスチャンジサービスを提供しており、長期休暇に向けてサービス利用者が増加する傾向にある。

Inspirato

https://www.inspirato.com
2011年、コロラドで創業。American Expressとて提携し、高級バケーションレンタルを年額会員制のプランでのみ提供している。富裕層向けのサービス。

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全体的に他のスタートアップに比べて、ヨーロッパ勢が強いということが今回分かった。これは旅行市場そのものが、アメリカよりもヨーロッパ州を中心としたユーラシア大陸全般に集中していることが原因となりうることだろう。

Airbnbは2015年に入り3つのスタートアップを買収し、見ていると、大手企業の買収傾向がより一層強くなっていくことが見受けられる。そして、大手企業発のジョイントベンチャー事例も同様に増えていくだろう。今後は、要所に絞ったバケーションレンタルの部分的買収が多くなっていくことも予想されていくだろう。

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