梅田シャングリラがライブハウスに「宿泊施設」を加える新しいリノベーションに向けて、インターネット上で有志の資金を募るクラウドファンディングをスタートさせました。
“これから”メジャーの舞台に上がるであろうバンドたちのライブへ行ったことはありますでしょうか?また有名ではないからこそ、ファンとアーティストの絆が強く、ファン同士の繋がりも濃いものとなっていきます。インターネットが発展して、いろんなアーティストたちの楽曲がWeb上で視聴することもできるようになったものではありますが、やっぱり、ライブはいいものです。生でしか伝わらない熱量というものを感じてしまいます。
梅田シャングリラも、そんな熱量を体感させてくれるライブハウスの一つとなっています。2005年に誕生して以来、昨年は10周年を迎え、全国のバンドと、そのファンたちに愛される大阪の象徴として成長してきたみたいです。そんなこともあって、大阪近辺だけではなく、関東や地方サイドから出演にやってくるバンドも少なくないのです。
しかし、そんな遠くからやってきたバンドたちは宿泊するお金がどうしても出せなくて、日帰りで帰ってしまう。本当は、ライブでの打ち上げを楽しみたいのにも関わらず、それができない状態にあるのです。それもそのはずで、近隣のホテルの宿泊料金はどんどん高騰しており、成功するまで財布の紐が厳しくあるようなバンドマンたちには厳しいものとなっています。
そこで、ライブハウスそのものが宿泊施設を持つことによって、よりバンドがライブ全体に集中できるような環境を作ることが、今回のクラウドファンディングの目的です。
大阪の宿泊施設不足が叫ばれている、今だからこそ「アーティストのために必要なこと」。
それは、「安心して音楽と向き合える環境づくり」をすることだと考えます。同時に微力ながらこのプロジェクトにより、大阪発信で音楽シーンがさらに盛り上がるきっかけになればこれ以上に嬉しいことはありません。
(出典): We fanクラウドファンディングサイト
アーティストにとって、「シェアリングエコノミー」は一つ生活が変わっていくキーワードなのかもしれません。本気でアートや、勝敗がはっきりしている世界に飛び込もうと思った時に、一般的な生活がいきづらいものとなってしまうのはしょうがないことです。最初はみんなそんなものなのですよね。
しかし、死なないようにして生きていかなければなりません。贅沢はしないし、やりたいことを続けていくための犠牲はつきものです。シェアリングエコノミーのように、人と暮らすことでちょっとだけ窮屈な面もあるかもしれませんが、等身大の人たちと一緒にいれる環境で、かつコストをできるだけ抑えて生活をすることができるシェアな暮らしというものは、アーティストたちには受け入れられやすいものではないでしょうか。
今回の梅田シャングリラで展開されるクラウドファンディングは極めて、大切な事例の一つです。今後、さまざまな領域で人と人がシェアして暮らすようなリノベーションが起こされていくところに、物理的な改変だけではなく、精神的な変化も現れていくのではないでしょうか。