民泊運用で成功するための全ては「物件選び」にあるとされています。同じ家賃で、同じ内装でも場所が違うだけで天と地の差が出てくるのが、Airbnbビジネスの特徴です。この場所選びには、ビジネス的な優位だけでなく、法的なリスクも踏まえて大切です。
長く続けるビジネス、特に後から変えられないものは慎重にならなければなりません。Airbnbを始めようと思った時に、最も肝になるのは「物件選び」です。お部屋の間取りもさることながら、見ておきたいところは観光客が使うところかどうか。辺鄙な場所でトライしても、まったく上手くいきません。そして、まだまだ新興ビジネスでグレーゾーン。
今回は、民泊を① やっていい場所、② やってはいけない場所、③ やらない方がいい場所、④ やるべき場所の4つに分けて物件選びのコツを説明していきます。
① 民泊をやっていい場所
様々なメディアを見ていると、民泊=法律違反と報道されているようなこともありますが、決してそういうわけではなく法整備が整っていないだけであるといえます。実際に、国の動きとして「特区民泊」を設けることにより、民泊を”やってもOK”なエリアを条例で制定しようとしているのです。
2017年1月の時点で、この条例を制定しているのは、大阪府、大阪市、大田区、北九州市の4つだけです。そのエリア外で民泊をしている話もよく聞くことだとは思いますが、これは「許可も、禁止もされていないエリア」すなわち、グレーゾーンとなり、多少なりともリスクはあるかもしれません。また、条例が制定されているからといって、問題なくどこでも民泊が可能というわけでもありません。
(出典): 首相官邸ホームページ
物件によっては民泊が禁止されています。旅行客が行き来する以上は、周りの住民に迷惑がかかりかねないものです。こうした近隣住民の配慮を考えた上で、民泊の是非が問われていきます。また、この特区は随時更新されるので、民泊をガッツリやりたい方は常にニュースなどでキャッチアップしておく必要があります。
② 民泊をやってはいけない場所
民泊が解禁しているエリアも少ないですが、全面禁止されているエリアも多くはありません。今のところ、「軽井沢」が民泊全面禁止が発令されました。別荘を所有している資産家が多いことでも見込まれているこのエリアだからこそ、商売に使われてしまうのが嫌だったのでしょう。
ここが「禁止!」というエリアは他にも出てくる可能性はあるものの、基本的には物件マターとなってくる見込みです。また、その他、退去命令が出やすいと予想されるエリアにも特徴があります。それは、軽井沢と同じく富裕層が多く住むような高級住宅街ではこのような民泊が好まれない事情があります。
<<民泊で「退去命令」が出されるリスクが見込まれるエリア>>
千代田区:番町
港区:高輪、南青山、赤坂、南麻布、三田、白金台、元麻布、白金
渋谷区:松涛、広尾、神山町、大山町、南平台町、代官山町、猿楽町、神宮前、代々木、上原
新宿区:下落合、中落合、市ヶ谷砂土原町
品川区:東五反田、上大崎、北品川
豊島区:目白、中井
北区:西ヶ原
板橋区:常盤台
文京区:本駒込、西片、関口、小日向、目白台、駒込、春日、千駄木、本郷、千石
中野区:中野、中央
目黒区:青葉台、八雲、自由が丘、柿の木坂、中目黒、上目黒、駒場、目黒、碑文谷、鷹番、平町、東が丘、緑が丘、洗足
練馬区:石神井町、向山
杉並区:善福寺、浜田山、永福、荻窪、和泉
大田区:田園調布、久が原、山王
世田谷区:等々力、田園調布、瀬田、岡本、深沢、成城、用賀、上北沢、赤堤、代沢、駒沢、尾山台、新町、奥沢、上野毛
台東区:上野桜木、池之端
③ 民泊をやらない方がいい場所
浅草や上野、秋葉原が位置する外国人観光客にとって、最も人気のあるエリア「台東区」でも民泊は要注意です。というのも、「フロントの設置」が義務付けられたのです。民泊のフロント設置は噂されていたことであり、そもそもフロントの設置とはなんなのでしょうか?
フロントとは、ホテルのフロントと同じく、玄関帳場を意味します。
玄関帳場は、宿泊者の出入りの際に従業員と面接を行うことで、不健全な営業形態の排除や宿泊者の安全を確保することを趣旨として設けられているものである。
(出典): 首相官邸ホームページ
そして、民泊をやらない方がいいエリアは法律的なリスクだけでなく、もちろん誰もこないエリアも避けるべきです。「民泊=儲かる」時代は終わり、いまやレッドオーシャン化しているので、しっかりと考えなければ民泊ビジネスを成功させることはできなくなくってしまいます。
(出典): SPIKE
物件数が少なく稼働率も低い、江戸川区・板橋区・足立区・葛飾区・練馬区といったド下町エリアでは避けた方がいいかもしれませんね。
④ 民泊をやるべき場所
民泊をやるべきは、ズバリ”儲かる”エリアですよね。儲かるエリアは結果的に、競合も多く、ここが絶対儲かるような場所は少なくなってきてはいますが、まだまだ統計的にみれば訪日旅行客は増えているのでチャンスはあります。
(出典): SPIKE
やはり、新宿区・渋谷区・そして、台東区など世界的にみても人気があるエリアが民泊においても人気を牛耳っていることが分かりますね。また、これらのエリアは物件数もあり、飽和状態もありますが、まだまだ伸びしろがると考えられています。
(出典): SPIKE
これからチャンスがあるエリアといえば、稼働率や収益が高いのにもかかわらず、まだまだレッドオーシャン化されていないエリアではないでしょうか?ここは民泊ビジネスの穴場なので、これから始めたいという人にとっては要チェックになりますね。
民泊ビジネス成功の鍵は「エリア選び」にあります。ここを慎重にやってみれば、今後もうまくいくこと間違いありません。エリアのことはデータがある程度までは教えてくれるものなので、よくよく調べてから不動産屋に聞きに行きましょう。