「Airbnbのホストはヒーローである」Airbnb創業者は”明日のホーム”を語る

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Airbnbは、現地にやってきている宿泊客がどこへ泊まろうかと困っている時に、ホステル・ホテルの他に「現地の家」という選択肢を提案してくれる新しい旅スタイルのサービスです。現在では、なんとその物件数は世界200万件を超え、一大ムーブメントを引き起こしているほどにもなっています。

そんなAirbnbの最初のホストであり、CEOを務めるブラインチェスキー。彼はデザイン系大学を卒業すると、仲間たちとともに何か新しいことを始めようと、起業を試みます。2008年。ちょうどサンフランシスコにやってきていた彼は、イベントやカンファレンスによって、ホテルに空席がなくなってしまい困るという点に問題を感じました。そこで、出たのがAirbnbの初期のアイデアでした。

最初はうまくいかず、途中では完全にお金が底をつきてしまうようなこともありました。そうすると、彼らはなんとシリアルを売り始めたのです、日本では「コーンフレーク」といった方が分かりやすいかもしれませんが。それが大ヒット。なんとかお金が回復します。やがて、本業に戻り、諦めず、Airbnbを辛抱強く勢力を拡大し続けます。やがて、2014年に企業価値100Bドルを超える、大企業へ。

そんなブライアンチェスキーが、ホストを集めたAirbnb Openで語ったプレゼンテーションを抜粋して、改めて、シェアリングエコノミーとは、Airbnbとはなんなのかを考え直してみましょう。

What airbnb is about, it’s not just about a house.
It’s about a home.
And there’s a difference between a house and a home.
You see a house is a space.
But home is place where you accept people as if they’re family.

Airbnbとは一体なんなのでしょうか、単なる家ではありません。
それは、ホームです。
家とホームには違いがあります。
家は単なる空間を指します。
しかし、ホームはあなたが家族のように受け入れることができる場所を言うのです。

ホテルは単に泊まるための空間を提供することに過ぎませんが、Airbnbでは全く別の価値を提供していることを指しています。それは、受け入れる人が、まるで家族かのように接してくれるような素敵な環境。誰かのウチに泊まりに行くというわけです。

Imagine you were to meet somebody out on the street and then you get to know them.
How long will it take before you get to know them well enough that you’re friends and you invite them over to your house for dinner.

道でばったり誰かに出会って、それから彼らのことをよく知ったとしましょう。
あなたが友達になって、家に食事に誘うまでにどれだけの時間がかかることになりますか?

ばったり道中で出会った人と、そこまでの親密度を築くためには一年以上はかかってしまうことでしょう。しかし、Airbnbは会ったことのない人を家に泊めるまでの関係性を築くことができます。話の中では、泊めたホストが後々、結婚式の招待状を送ってくれたなんてことにも触れています。

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Here’s the really cool thing, when you travel on Airbnb, you experience a city through its people, through its host.
You don’t experience a city through its monuments.
You don’t experience a city through its landmarks.
Those aren’t culture.
You know what culture is?
It’s people.
People that are alive in their homes.
And that’s what we do.

Airbnbを使って旅行をするのは本当にクールなこと、人々やホストを通して街を体験できるのですから。
モニュメントを通して街を体験することなんてできません。
ランドマークを通して街を体験することなんてできません。
そんなの文化ではありません。
文化とはなんなのかが分かっていますか?
それは、人々です。
ホームの中に生きている人々のことです。
私たちはそれを運営しているのです。

ホストの人たちがすることは、家を貸すだけではありません。旅行客が楽しめるように地図を作ってあげたり、美味しい近場のレストランを紹介してあげたり、分からないことがあれば教えてあげる。みんな、ホテルにはできないことなのです。これを通じて、文化を旅行客は知ることができるようになるのです。

Machines cannot create belonging.
Only people can do that.
Only a host can do that.

機械はおもてなしを生み出すことはできません。
人々がそれをなすことができます。
ホストだけがそれをすることができるのです。

フリードマンの有名な言葉を引用しています。仕事のあり方は、手を使う仕事、頭を使う仕事、そして心を使う仕事。テクノロジーの発展により、例えば農業人口(手を使う仕事)が減り、頭を使う仕事なども人間がすることではなくなってきています。しかし、決して機械には心を使う仕事はできません。相手のことを想い、もっとも必要としていることをしてあげる。こんな思いやりな行動は人間にしかできないのです。

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And today that home is where the family lives, but tomorrow that home is limited to just where you belong.
And where you belong will be anywhere.

今日、ホームというのは家族が住んでいる場所を指します。しかし、明日のホームはあなたが寄り添える場所を指すようになるでしょう。
そして、寄り添える場所は世界中どこにでもあるのです。

Airbnbはテクノロジーではなく、人々の思いやりによって世界を変えることができるサービスとなりました。確かに、思えばAirbnbのサービスそのものは危険なものの塊です。初めて会う見知らぬ人を自分の家に泊めるのです。正気の沙汰ではありません。

それが可能としたのは、人間がお互いを思いやることができる生物だったからなのではないでしょうか。ただの空間貸すサービスだと思っていたAirbnbへの認識はかなり変わりましたね。人種や国境も関係なく、誰もを自分の家へもてなすことができる。そんな未来が微笑ましく思いますね。

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