泊まったり、招いたり。旅行の楽しみに、新しいスタイルを敷いたカウチサーフィン。はじまったのは、けっこう古くて、2000年です。これは、当時学生であったケーシーフェントンのアイデアで、彼がアメリカマサチューセッツからアイスランドへ格安便で出かけた時に生まれました。
ホステルに宿泊をする代わりに、彼はランダムにアイスランド大学の学生1500人ものにメールを送りました。「僕を何日か泊めてくれないか」という内容のもの。なんと、宿泊をOKしてくれた人は50人もいたみたいです。そこで、カウチサーフィンという発想が帰りの飛行機で出来上がっていたというわけです。
そして、ちょうど3年前。カウチサーフィンはある決断をすることになります。それは、NPO(非営利組織)からの脱却。これは、今まで使ってきたユーザーを失うことにもなった事件となりえました。実際、東京でのホストに会った時には「商用化してきて、なんだか裏切られた気分」なんて言葉も。しかし、創業者であるケーシーがやりたかったことは、非営利や、ビジネスという枠を超えて、もっとカウチサーファーやホストにとって、最高の環境を作ることでした。
こちらの記事では、私自身が彼にメールを送った経験のお話を綴ったものですが。彼が、そんなカウチサーフィンの歴史的決断にユーザーに送ったメッセージから、シェアリングエコノミーと、カウチサーフィンの本質を見てみたいと思います。
カウチサーフィン創業者、ケーシーの直筆ブログから、「A letter from co-founder Casey Fenton」より抜粋します。
カウチサーフィンの利用は一切フリーでやっていきます!
カウチサーファーが恐れていたことは、Airbnbのようなほぼホテルのような状態になってしまうことでした。しかし、ケーシーは結局「もし、カウチサーフィンコミュニティの一部でも変わり始めていくのだと思っていたら、それは大違い」と綴っています。カウチサーフィンは、これからも誰もにとって、金銭の問題があるないに関わらず、探検と結ぶことができる場で在り続けるのです。
カウチサーフィンの最優先事項は、この世界をよりよくすること!
カウチサーフィンの使命、ビジョン、そして原則の基準はあくまで、”カウチサーフィン”にあるということです。会社にすれば、株主や他のステークホルダーに気を使いながら、経営を進めなくてはいけないのですが、あくまで、今までの13年間を培ってきたコミュニティを守っていくことを決意表明しています。
非営利企業でなくなるとは、”営利”のための企業になるというわけではないんですよ!
カウチサーフィンを売ったわけではないですし、ツアーやイベントでお金儲けをしようというわけでもありません。誰もがカウチサーフィンのスピリッツを忘れずに、これをさらに高めていくことを覚悟しています。ここからは、全員一致で、このコミュニティを育てていくということです。
この日から、ホスピタリティコミュニティから、シェアリングエコノミーの仲間入りを果たしたわけですね。