金町・Domahouseから学ぶ。シェアリングエコノミーが本質的に欲しいもの

pexels-photo-296649

多世代の人たちが共生する住まいの形として脚光を浴びている・コレクティブハウジング。日本ではまだ事例が少なく、民間単位でこれを実施している物件はほとんどありません。人情に溢れた下町葛飾に構えられた『蔵のある家。Domahouse』へ行ってきました。閑静な住宅地に囲まれてしまえば、なんの変哲もないこの住まいには、実は従来のシェアハウスとは全く異なった取り組みがなされているのです。

pexels-photo-202029

シェアだと閉じちゃう

帰ってきたら誰かいる、一人じゃない暮らし方の一つとしてシェアハウスが近年注目を集めています。震災以降、暮らしのなかに「人との交流」を加える必要性が問われ始めました。その選択肢は果たして、シェアハウスだけなのでしょうか。例えば、コレクティブハウス。スウェーデン・デンマークなど北欧エリアではじまった、『近隣で住んでいる人たちが集まって、共同生活を送る』暮らし方です。

シェアハウスは、あくまで家の中だけで共生していくもの(クローズド)ですが。一方で、コレクティブハウスは家や世帯の境を超えて、ローカルな人たちが集まって(オープン)暮らします。コンセプトがこれに適っていれば、複数の家族が一つの建物に住んで共有部をもつこともコレクティブハウスだし、近くに住んでいる人たちが公共施設ではないスペースに自由に出入りできるのもタウンコレクティブになります。

『蔵のある家。Domahouse』で取り組まれているコレクティブな一面は、おもちゃのシェアリング。

”きっかけは、近所の幼稚園が昔から行なっている「おもちゃの貸し出し」でした。子供たちにとって、おもちゃは大事なもの。だけど、木のおもちゃは意外と高かったりもして、親御さんたちに何でも買ってもらうことはできません。近所の幼稚園では、質の良いおもちゃがたくさんあり、子供たちに貸し出されています。これは素晴らしいと思い、幼稚園に通っていない子供でも借りられるようにうちでも同じことを始めたんです。”

見る見るうちに、蔵はおもちゃでいっぱいになったそうです。おもちゃ屋さんで買い漁って、おもちゃを集めるのではなく、子供たちが成長していらなくなったおもちゃを近所から集める。渡す手と、受け取る手、そしてそのおもちゃで遊ぶ子供たちの手。おもちゃのシェアリングは、シェアハウスではできない、近所の人たちと生きていくことを体現した非常に分かりやすい事例となっています。

くら

いざ「蔵のある家」へ

Domahouseのオーナー金子さんは、建築設計がお仕事。戸数11の小規模なコレクティブハウス『スガモフラット』も手がけ、今は独立し、シェアハウスの設計などに携わっています。こうした経験から、金子さんが意識し始めたことに「開かれた暮らし」があります。シェアではなく、コレクティブ。そして、この『蔵のある家』に金子さんは出会うことに。

「蔵」をキーワードに、地域に開かれたコミュニティのきっかけの「場」をつくりたいなと思い、母屋はシェアハウス運営をしていますが、コレクティブな暮らしができる、仕掛けと場を創りたいと思っています。集まって住むことの楽しさ、地域で助け合いながら生きる安心感を、実感したい。してほしい。ここで育った人々が別の場所で住むようになっても、同じような暮らしをしてほしいですね。

地域の人も使える開かれたリビング

地域の人も使える開かれたリビング

ーーー アトリエに人はこられるんですか?

近所の人たちがきて、イベントをしたりしますよ。

ーーー どんなイベントが開催されたりするんですか?

いろいろですよ。おもちゃのシェアリングをやっているので、子供たちがよく来て遊んでいます。そのお母さんたちがやってきて、食事会をすることもあります。それから、軽く音楽会をやったことなんかもありましたね。あとは、コレクティブハウスのセミナーをやったりも。

シェア住民のためのプライベートリビング

シェア住民のためのプライベートリビング

シェア住民のための風呂

シェア住民のための風呂

ーーー おお、あんまり見ない景色ですね(笑)

気持ち良いですよね。でも、囲まれてるからあんまり人目もないから。最近はやっていないんですが、ここでバーベキューをやったりもしていたんです。

ーーー 忍者みたいなことができそうですね(笑)

・・・なんなんでしょう・・・笑

これは銅で出来ているんですよ。どう説明したらいいか分からないんですけど(笑)昔は長持ちする金属ということで銅がよく使われていて、瓦は地震の対策で変えちゃったんだけど。

ここが一人の部屋で、基本的にどんなアレンジをしてくれても構いません。持ち家なので、D.I.Yが好きな人なら釘やネジを使って、大改造してみてもよいかもしれませんね。

ーーー あれはなんですか?

雪見障子ですよ。庭の雪が見れます。この雪見障子って、けっこう職人さんの技術が要るんです。

ーーー どういう人が暮らしてるんですか?

いろいろですね。コミュニティが好きな人に来てもらいたいですが、必ずしもそういう人たちだけではありません。駅から近くて、比較的安く住むことができるので暮らしやすい。どんな人たちもウェルカムですが、できればご飯とか一緒に食べたりして家族のように暮らしたいです。

pexels-photo-196362

一般的によくあるようなシェアハウスは閉じられています。シェアハウスに暮らしている住人同士で生活が進んでいきます。コレクティブハウスは、シェアハウスではありません。地域と繋がり、近くに住んでいる人たちみんなが一緒に暮らしていきます。

インターネットの普及、今まで以上に人間関係が問われていく中で、誰かと繋がっていく。その誰かが曖昧で開かれているようにみえる世の中よりも、身の回りで暮らしている人たちと繋がっていくこと。コレクティブハウスは、決して新しいものではなく、立ち返って考えた時に、私たちが本質的に欲しいものなのかもしれません。

スポンサーリンク
スポンサードリンク



スポンサードリンク



スポンサーリンク
スポンサードリンク